突然の光に目の前が真っ白になり、神無達は視界を奪われる。
何も見えなくなったその時、頭に直接語りかけてくるような声が聞えた。
五つの珠を集めし者達よ
光と闇の幻想の地で待つ
それは、二種類の声だった。
「貴方達は誰なんですか!?」
だが声はもう何も答えない。
暫くして光が収まり、徐々に視界が鮮明になっていく。
「今の、は……」
「あの感じ……光の守護精ライトーンと、闇の守護精ダークネスト?」
「可能性としては大いにあり、だな」
「だけど、光と闇の幻想の地って、ドコの事だい?」
全員が考え込んだその時だった。
それぞれの珠が急に光り、守護精達が姿を現す。
珠が五つ、揃ったようですね
「ウィンディア……ええ」
ならば聞いたであろう。二つの声を
「……ウォーティス……ああ、聞いた」
あれは光と闇の守護精
「やはりそうなのですね、ヴォルティック」
基本的にわしらは自然そのもの。何処にでも存在しておる。この姿は珠に宿っておるからこそ、だからの
「アーサム、そうなんですか」
光と闇の珠は、奴らの指定した所にあるからな
「その場所は……教えないんだろう?ファイアスティ」
守護精達は頷く。
あくまで主らが見つけねば意味を為さぬ
事態が切迫してても、珠を持つに相応しいか判断しなくちゃならねぇしな
そして、光と闇の試練
彼らは貴方方に試練を与えるでしょう……過酷な試練を
まぁわしらは信じとるがの。お前さん達なら大丈夫だと
そうして微笑んだ守護精達の期待や信頼を、神無達は感じた。
「ま、やれるだけの事はするつもりだけどな」
「その信頼、応えてみせるよ」
「珠を持つに相応しいかどうか、その目で見ていて下さい」
「試練だろーが何だろーが、乗り越えて見せるわよ」
「僕達は一人ではありません。仲間と、貴方達守護精が、共にいてくれるんですから」
全員のその決意を感じ取り、守護精達は言う。
お前さん達、その気持ちを忘れるでないぞ
貴女方なら、試練を乗り越えられるハズです
主らは、我らの希望
試練に失敗したら承知しねぇぞ?
主らの幸運を祈ろう
そうして、守護精達は姿を消した。
「檄……飛ばされちゃいましたね」
「それだけ期待されてるんでしょ?私達」
「信頼には応えましょう。例え、困難な道であっても」
「じゃあ取り敢えず、“光と闇の幻想の地”っていうのを解かなくてはね」
「試練の前にその場所に行けなきゃ、話にならないしな」
そうして五人は改めて考える。
“光と闇の幻想の地”
その意味を。
「幻想……幻って事?」
「幻の地なんて知らねーぞ」
「どちらかというと、光と闇が幻想を見せる地なのでは?」
「その意見には賛成だね」
「私もそう思います。……それより、一度街へ戻りませんか?」
確かに、いつまでも鍾乳洞の中で考えるよりはいいだろう。