七精は虚無を取り囲み、力を集中させる。
封印の為、まずは国王の体と分離させなければならない。
だが、七精の力は虚無に弾かれてしまう。
『我は一度お前達七精と宝珠の封印を破っておるのだ。今更効くとでも思ったか!?』
そう言って虚無は高笑いをする。
ならば。
取るべき手段は一つだ。
「弱らせてからじゃないと、ダメみたいね」
我らも力を貸そう
でなければ虚無を弱らせる事叶わぬ
ライトーンとダークネストがそう言うと、全員がそれぞれ、守護を受けた守護精の力を自らの中に感じる。
これなら、いけるだろう。
「――愚かなる罪人、大地の怒りをその身に受けよ!
フォリシスが先制してそう唱えた次の瞬間、虚無の足元の地面が割れ、次々と隆起し、虚無に襲いかかった。
その光景はさながら、大地が虚無を飲み込もうとしているようだった。
『ぬるいわ!』
だが虚無は、難なくその場から離れて飛び上がる。
するとそれを見計らったかのように、マリノスが銃を放った。
「空中じゃ避けれないだろう!?」
元々威力の高かった電気を帯びたその弾は、火の守護精の力を受け、魔人を倒した時よりも大きな爆風を引き起こした。
「名付けて、
『おのれ……』
マリノスに続くのはリムだ。
「清冽なる闇の空気に触れし者よ、棺にて眠れ……!
『何……!?』
闇が虚無の周囲を取り巻き、さながら棺のようだ。
そうしてそれはそのまま収縮し、弾けた。
流石によろめいた虚無に、ラティスの鞭が唸る。
「
鞭は水の加護を受け、水流の様相を呈している。
その連続攻撃が終わると、すかさずフォリシスが次の呪文を唱える。
「光よ……かの者に審判を下せ。……貫け!
光の粒子が槍のように降り注ぐスピア・レイの強化版だ。
『ぐ……っ!』
虚無はその威力に堪らず膝を付く。
連続攻撃はまだ続く。
「
神無の斬撃は、まるでかまいたちのように相手を斬りつける。
『ぐあぁぁぁ!』
そしてとどめの、最後の一撃――。
「神の鉄槌、その裁きの雷を受けよ!
激しい雷が、虚無の身を打つ。
虚無はついにその場に倒れ、その直後、今まで虚無が乗り移っていた国王の体から、黒い霧が出てきた。