「そこのお二人。ちょっとよろしいですか?」
デート中に突然、占い師と思われる人物に声を掛けられ、二人は足を止める。
その人物が言うには。
「お二人は別れた方が、お互いの為になると出ていますよ」
との事だった。
≪占い≫
【朱夏&愁の場合】
「いきなり何を……っ」
そう言って占い師に突っ掛かろうとした愁を、意外な事に朱夏が止める。
「ほっときなさいよ、愁」
「は?」
いつもなら自分と同じような反応をするだろうと思っていた愁にとって、それは意表を突くもので。
呆気に取られている間に朱夏はさっさとその場を後にしてしまって。
「お、おい、朱夏!ちょっと待て!」
愁は慌ててその後を追った。
「朱夏!どうしたんだ?あんな事言われて黙ってるなんて、お前らしくもない」
「そう?……まぁ確かに下らないとは思ったけどね」
「だったら何で」
「そりゃあ私だって、クラスの奴とか近所の人とか、それこそ愁の家族とかからそう反対されたら食って掛かるわよ?」
当然のようにそう言う朱夏に、愁は「だよな」と頷いた。
そうして朱夏は続ける。
「だけど今のは、たかが占いでしょ?」
そう言う朱夏は、嘲笑の笑みを浮かべていて。
「占いに左右されるなんてバッカみたい。占いで全部上手くいくなら、誰も苦労はしないっての」
「あぁ、それは確かに」
「あくまで参考程度に留めとけばいいのよ」
「……お前らしいな」
「でしょ?」
そうして二人は顔を見合わせて笑った。