side:SATIKA

「三者面談、かぁ……龍矢さん、平気かなぁ……」

 幸花が高等部に上がって最初の三者面談。
 昨年は中等部の日程と高等部の日程はずれていた為、一番遅い時間にしておいて貰えればいつでもいいよ、って言ってたけど。
 今年からはそうもいかないだろう。
 多分また、一番遅い時間に、って事になるのは確実だけど。
 もしそれで都合が合わなければ……。

「後日改めてって事になるのかなぁ……?」
 そうでなければ面談にならない。

 龍矢だってクラスを持っているから、その調整に忙しいだろうし、そちらが空いたからといって、その時間にこっちのクラスに空きがなければ意味はない。
「とにかく一度聞いてみよ」

 出来れば予定されている日程中の方がいいんだけれど。
 そうでなくても、たまに先生同士で話し始める事とかあるし。
 何より別の日になると、時間を気にしないで話せちゃうし。

 そうなったら嫌だなぁ……と思いながら、幸花はふとある事を思う。

 早坂先生、保護者が龍矢さんだって事、知ってたっけ……?

 そうは思ったが、幸花はそれ以上深く考えなかった。