side:NAOKI
「三者面談、ねぇ……」
三者面談=保護者=親。
つまり。
「咲の父親か母親には会うって事か……やっぱここは好印象を残しておかないとな」
そんな風に浮かれながら、直樹は相手に好印象を与える方法を考える。
「あ、どっちが来るか聞いとくか」
ついでにちょっと恋人らしい事して。
そう考えて、直樹は実家に寄る。
だが。
「……は?今、何て……?」
「だから。私が咲ちゃんの保護者代わりに三者面談に行く事になったって言ってるの」
最初、自分の母親が言う言葉の意味を理解できず、直樹は絶句した。
「……そうだ咲。この間の期末、数学だけ点数悪かったんだろ?勉強見てやるよ」
取り敢えず満面の笑みを浮かべ、直樹は咲に向き直る。
一瞬、微妙に咲の表情が引き攣って見えたが、気にしないでおく。
さぁ、どういう事か、キッチリ説明してもらおうか。
そう思いながら、直樹は咲を部屋へと連行した。