side:RYUYA

「はぁ!?三者面談代われぇ!?」
「バッ、声が大きいぞテメー!」
 龍矢が学校に行くと、突然直樹が三者面談を代わって欲しいと言い出した。

 冗談じゃない。こっちは幸花の面談だってあるんだ。

 何より。
「お前、俺にも担当クラスあるの知ってるだろ」
「話を最後まで聞け。代わって欲しいのは一人だけだ」
 その言葉に、龍矢は眉根を寄せる。
「何で」
「いや……お袋が来るんだよ」
「……は?お袋って、お前の?何で」
「俺の実家で下宿中の生徒の保護者代わり」
 げっそりとした表情でそう言う直樹に、龍矢は必死で笑いを堪える。
「……笑い事じゃねぇよ」
 そう言う直樹に、龍矢はどうしようかと考える。

 ワザと断ってコイツが慌てふためく姿も見てみたいが。
 今後の為に貸しを作っておくのも、悪くないかもしれない。

「いいぜ?但し、俺のクラスの都合にもよるからな?」

 さて、これで上手く調整できるといいんだが。