side:SAKU

「……も、やだ……」
「どうかしたの?咲ちゃん」
 学校で咲が机に突っ伏していると、桃花が声を掛けてきた。
「昨日先生に怒られた……」
「……何で?」
「三者面談に、おば様が親の代わりに来る事になって……」
「おば様?……それってまさか、先生の……?」
「うん、お母さん」
 桃花は唯一、咲と直樹の事を知っている。
 だからこそこうして話が出来るのだ。
「……それはやっぱり……ねぇ?」
「……反省してる」

 確かに気付かなかった私も悪いけど。
 怒るなら普通に怒ってくれればいいのに。
 ……思い出さないでおこう。うん。

「取り敢えず、次からはちゃんと親を呼ぶ事になったの」

 だって直樹さん、“一度キチンと会って挨拶しておきたい”って言ってくれたし。
 でもどうするんだろう?何とかするとは言ってたけど……。

 不安になりつつも、咲には心配する事しか出来なかった。