side:NAOKI
「やっと出来た……」
どうにかこうにか予定が組めた。
龍矢に言われて、なるべく全部の日の最終の時間とその前を開けておいたけど。
一人だけ未定だった向井がいつになるかで、かなりヒヤヒヤした。
結局、微妙に時間外ではあるが、最終日の最後って事で何とか片付いた。
龍矢の方の調整も何とか取れたし。
もし龍矢の空きと向井の保護者の都合がダブったら、どうしようかと思っていた所だ。
「……ったく、あのお節介が……」
そもそもこんなに苦労する羽目になったのは、あのお節介な母親のせいだ。
勿論、そのお節介に何も考えずに同意した咲も悪いが。
折角咲の担任が俺だという事を隠しているのに。
もしバレたら、咲の面談そっちのけで話し出しかねない。
……咲の親に会うチャンスだったのに。
まぁお仕置きと称して、咲の方から何度もキスをして貰ったから、今回は許してやろう。
後は当日を迎えるのみ。